藤原孝章研究室

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ジャーナル13
募金(義援金と支援金)のゆくえ
2011.03.17
(地震発生6日後)

 関西にいる私たちに今できることは募金をすることだと、前回の「ミクシィ日記」に書いたので、次に、募金について書きました。

1.救援物資は個人よりも行政や企業が主体


 救援物資については、各都道府県(行政)の窓口で公的に届けられるように、今日になって呼びかけがなされている(ようやく復旧に向けて動き出している) 。 しかし、この場合も、食料や毛布、医薬品など物資が限られる。個人よりも自治体や企業の出番で、個人はまだ早い。 それでも、道路網や燃料など物流のインフラが復旧していないので現地に届くのはかなり遅れることになる(つまり私たちの自治体の倉庫に眠ることになる) 。

2.募金(義援金)


 開発教育でよくされる問い「援助資金は本当に届いているか」(資金の透明性、追跡可能性)を今回の募金のケースに当てはめて考えてみた。

(1)まず、いろんなメディアなどで呼びかけている募金は、義援金と呼ばれ、概ね「日本赤十字社」に行く。
日本赤十字社でも直接受けつけている。(http://www.jrc.or.jp/)
このルートが、いちばん信頼性が高い(阪神の震災でもこのルートであった)。


(2)しかし、日本赤十字社から被災者や避難所に直接届くかというとそうではない。
都道府県(阪神の場合なら兵庫県)にいって、そこで配分委員会が組織され、そこで配分が決定され
る。日本赤十字社も配分委員会の一員になる。


(3)配分の原則は、被災地の人々に対する個別補償で、住宅再建などの金額補償に回されることが多い
が、緊急度に応じて何次かにわけて配分されることもある。行政が行なう復興費用(税金または政府
の助成金による)とは別である。


(4)都道府県の配分委員会についてはまだこれといったニュースがないから、今募金が大量に集まりつ つあるけれど、即座に被災者に届くと思うのは早計であろう。


(5)ここまでくると、日本赤十字を語る者から、さもすぐに届くかのようなメールや電話や戸口訪問がきて
も、それは詐欺であることがわかるだろう(もちろん赤十字からは個別の依頼はない)。
チェーンメールなどでまわる場合があるので注意。


3.募金(支援金)


(1)では、できるだけ早く募金を現地に役だてたいのならどうするか。
それは、現在すでに現地に入っているNGOに寄付することである。その活動を直接的に支援する資
金である。


(2)今日、私の知りあいがいるIVY国際ボランティアセンター山形にメールしてみた。
ここでは阪神の震災の経験に学んで、震災のあとすぐ「東北広域震災NGOセンター」をたちあげ、比較的被害の少ない山形を拠点に仙台へ出張って救援活動をしている。(http://www.ivyivy.org/)
そのセンターでも募金をしているので、支援金のゆくえを尋ねたら、次のようなメールが来た。


    「事務局長が、毎日ボランティアの方たちと現地に行っています。 その活動費として使うこともありますが、一番は、支援物資の購入です。 出向く先で必要な物を把握し、山形で買える物は買って持って行っています。今日現在は宮城県の柴田町からの要請で、大人用のおしめを学生たちが買いに回っています。ガソリンがないので、人海戦術です。昨日からの雪で大変な中、学生も頑張っています。IVYの場合は、ディーゼル車を調達出来たので、動けています。自分たちの目で見て、自分たちが出来る支援を毎日考えて行動しています」


つまり、NGOが独自の判断で募金を救援活動につかっていることがわかる。 自分の善意を明確にたどりたい場合はこのようなルートがよい。


(3)また、今日は、桑山紀彦さんが代表をしている「地球のステージ」事務局の石橋優子さんに電話で話した。私は、このNGOの理事なので、ぜひ資金を援助したいと思っている。仙台空港がある名取市に新しい事務局ができたばかりだったが、今回被災したので、いままであった山形市に仮に事務所を置くことになった(03.22から名取市に復帰)。名取市の事務局は桑山さんの診療所をかねていたので、今は現地の救援活動の拠点になっている。地球のステージのホームページでは支援金の募集はしていない(03.22に更新され現在は募集している)。入会費の振込先が記されているだけだ。もちろん、寄付の意思があればその振込先に活動支援金と記入して振り込めば処理をしてくれる。当然それは、桑山さんの医療救援活動費にまわるだろう。 ただし、今日、電話で話したところでは、郵便振替といっても名取市の郵便局は機能していないので、実際に振り込んでも郵便局から通知が「地球のステージ」にいくとは限らない(つまりすぐに使用されない)。 では、医薬品などの購入はどうするかとたずねたら、今は後払いで購入しているとのこと。
桑山さんの活動についてはホームページのブログを見るとよい。http://www.e-stageone.org/


(4)こうしてみると、赤十字社、現地NGO(IVY & 地ステ)それぞれ間接、直接の違いがあることが分かった。NGOの場合は。初期資金は自前で調達し、手弁当もふくめてやっている。 しかし、赤十字社にしろ、NGOにしろ、募金は復旧がととのい、復興の段階になると大きな役割をはたすだろう。その額は大きければ大きいほど良いと思う。


  私は、今までお世話になった神戸YMCA(日本YMCA同盟を通して資金援助)、海外こども事情バンコク編(2005年)や研究会DECの絵本プロジェクトなどでお世話になった(公益法人)シャンティ国際ボランティア会(SVA)、知人が頑張っているIVY国際ボランティアセンター山形(「東北広域震災NGOセンター」) と地球のステージ、そして一般的な日本赤十字社に、それぞれわけて寄付をしようと思う。